歌とピアノのおねえさん

かつての同級生たちのほとんどが、

今はママ業をやっている。

なんともいえない疎外感と孤独感を覚え、

かといって今さら婚活する気にもなれず、

ついつい酒と猫に走ってしまう今日この頃。

でも、ここにきて音楽活動の枠がぐんと広がった。

イベント出演やCMソングの制作などに加えて、

ちょっとだけ幼児教育に携われるようになったのだ。

この私が！

幼児=宇宙人と捉えていたこの私が！！

去年からはじめた出前コンサート。

保育園、幼稚園、学童、小学校など様々な教育施設で、

たくさんの子どもたちに音楽の楽しさを伝える仕事ができるようになった。

地域によって子どもたちの雰囲気も全然違うのだけど、

ただひとつ、共通することがある。

それは、

全力で歌う！！！ってこと。

これってマジすごいこと。

オトナはもう、できません。（酔っぱらった時以外）

知っている歌のイントロが始まったとたん、

みんなの顔つきがパッと変わるの。

で、歌い出す一拍前で思いっきり息を吸う。

ちょうちょ・・・の「ちょ」、

さいたさいた・・・の「さ」、

やねよりたかい・・・の「や」、

出だしの音程をものの見事に無視して、全力で歌い出す。

かわいいやないかい。

ついうっかり思ってしまう。

今日は、高校時代の同級生が働く保育園で歌ってきた。

当時彼女は新体操部だったので、あまり繋がりがなかったのだけど、

こうしてまた交流できるのは本当に嬉しい。

いつの間にか大人になってしまったね、というニュアンスを含んだ上で、

当時のニックネームで呼び合うのは非情に照れるのであった。

この保育園には、これから1年間、

歌とピアノのお姉さんとして通います。

子どもたちの成長が近くで見れる。

本来ならば縁のない環境や人たちでも、

こうして音楽で繋がれる。

やっててよかったな。

というわけで、

毎週金曜のラジオに加え、

月イチで朝10時から歌うことになってしまった。

うちに来る生徒たちならとっくに理解しているけれど、

純真無垢な幼児たちに「二日酔い」を教えるのはちょっとまだ早いので、

というか、たぶん先生に怒られると思うので、

ここはやむを得ず自制するしかない。

まだまだ修行は続くのだ。

＜4月の日々のこと2＞

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