別れの春 [思うこと]
生徒らを玄関で見送る時、
「気をつけて帰りなさいよ」とか、
「次は何の曲が弾きたいか考えといて」とか、
「春休みなんだから、もうちょっと練習しておいで」
とか、先生ぶった言い方をする。
分かった、とか、ハイ、とか、オゥ、とか、
それぞれに返事をして子どもらは帰って行く。
今日、最後のレッスンを終えた。
パパの仕事の関係で、一家で神奈川へ引っ越しする。
私は玄関で、ほとんど泣きそうになりながら、
先生ぶったどのパターンの言葉も言えず、
なんだか寂しさと切なさが入り交じった気持ちでいた。
10代の頃から、見送られるのはいつも私の方だった。
家から学校へ、徳島から東京へ、
数えきれないほど往復し、その度に誰かが見送ってくれていた。
旅立つ方は、これから待つ新しい何かを見ている。
残された方は、色褪せていく思い出をじっと見ている。
断然、前者がいいに決まってる。
徳島に帰郷して9年にもなるというのに、
だから未だに見送るのには慣れない。
バイバイって手を振ったあとも心がすうすうするし、
そのあとどうやってうまく通常業務に戻ってよいか分からない。
途方に暮れる、とはまさにこのこと。
この春も進級や引っ越しなどで何人かとお別れしたけど、
これからの成長が楽しみだった子ばかりなだけに、
会えなくなるのは本当に寂しいな。
研究や観察や、絵を書くことが大好きな真ちゃんは、
超名門校への編入が決まっているそうで、
きっとこれからは勉強ばっかりになっちゃうのかも。
たまにはピアノで気晴らししてほしい。
どうか元気で、早く大人になって私の東京ライブに来てほしい。
というわけで、
今夜は近所の料理屋で涙酒。
最後に弾いてくれた「夜空ノムコウ」が脳内エンドレスBGMだ。
うえーーーん(泣)
定休日に渓流釣りに出かける大将。
大きいのが釣れたらはずんだ声で電話をくれる。
これは解禁日翌日にいただいた今年初のアメゴ。
今日食べたのはコレ。
ほくほくでおいしかった。塩をふっているのに甘い、と感じる。
生ワカメ。今だけの貴重なもの。土佐酢で。
つくし。
ホタルイカの酢みそ和え。
シメのお寿司。
コメント 0