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チロのこと [動物のこと]

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去年の今頃、
コマッチマのタッチェというところにいた。
3つ目のお家。
庭先に繋がれっぱなしで、1日1回私が通って散歩をした。
雪が降って洗面器に氷が張っても、隙間から水を飲んでいた。
震災の日、サイレンが怖くて鎖をちぎって脱走した。
私は泣いて探したが、
翌朝近所を歩いていた。

春、
今度はイタノのマッチゲというところにもらわれた。
平屋のお家で、お庭も広く、小屋も作ってもらい、
朝晩散歩に行けることになって大満足だった。
夏、
そのお家に生後5ヶ月のトイプードルがやってきた。
飼い主さんの娘さん親子が飼う予定だった犬。
旦那さんが犬が怖くて、我慢ができなくなったので、
おばあちゃんちである、チロの家に連れてこられた。
小型犬で赤ちゃんのトイプーと、
中型犬で元野良犬のチロ。
2択の結果は誰もが安易に予想できる。

というわけで、
チロは今、スエヒロにいる。
うちにはすでに、
超凶暴かつ男性と犬が嫌いな犬(多夢)がいるので、
近所のお家に居候中。
毎日声をかけたり、頭をなでたり、
屋根を付けたり、毛布を交換したり、
たまには遠くの広い公園へ、
ピクニックにも連れていってもらっている。
今では家族ぐるみの付き合いになっていて、
私共々本当によくしてもらっている。

川向こうの結婚式場では、
大嫌いな花火が週末の度に上がるけど、
どうにか我慢している様子。
はじめの頃はよくパニックになっていたが、
最近は少し慣れてきた。
ここにいれば安心、そう思ってくれていたらいい。

私はもう、新たな里親を探そうとは思わない。
いいお家だったのに、いい人だったのに、
あんなにかわいがってくれたのに、
放棄や処分を選ぶという現実。
食べ物や水をもらえず、
歩くことも、自らの本能で排泄することも許されず、
ただ鎖に繋がれてその先の何かを待つという現実。
人間社会において、こんなことは仕方のないこと。
ましてや動物を嫌う人にとっては、どうでもいいこと。
だけど私はどうしても、無視できない。
動物がくれる愛や癒しで救われている毎日なのに、
悲しい現実、やるせない現実が次々に飛び込んでくる。
結果、人がどんどん嫌いになる。

飼育放棄した人に、次は何も飼ってほしくないし、
どちらかを選んだ人に、選ばなかった方のことを語ってほしくない。
器が小さいなぁと思うけど、本音だ。

チロとは、朝晩散歩する。
近所の畑のおばちゃんに、
「あらーさっきと犬が違うでー」と驚かれることもなくなった。
彼なりの愛情表現も、不安も、分かってきた。
カラダはデカいくせに、小心者。
愛嬌があって、人が好きで、寂しがり屋。
言葉が通じなくても、分かり合える瞬間。
しょうもない笑いと止めどない愛、
炎々たる怒りに満ちている動物たちとの日々。

そりゃ結婚できんわな。

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