BBQで煙たがられる女

私はお肉を食べない。

晴れ女の本領を発揮して

どんなにかんかん照りで南国ムード満点であっても、

ジュウジュウ焼けた牛さんには絶対に手を出さない。

喘息持ちなので煙は吸い込みたくないし、

服や髪に獣臭がつくのが嫌だし、

唯一口にできるカボチャや玉ねぎは、

網の端っこでほったらかしにされて炭みたいになってるし、

はぁ・・・なんだかなぁ・・・

どんどん無口になってビールばかりを呑んで、

挙げ句、肉を焼いているすぐ横で

串刺しのマシュマロを焼き出したりして

周囲から白い目で見られるという・・・

そう、私は「BBQで煙たがられる女」なのだ。

過去何回、いつ誰とどんな場所に行っても、

肉の煙以上に煙たがられ、結果、二度と誘ってもらえない。

そんな女が、数年ぶりにBBQをした。

そんな女のために用意してくれたのは、

なんとお魚メインのBBQ！

あまりにも素晴らしくて嬉しかったのだが、

段取りも分からずろくにお手伝いもできなかったので、

記録係をかって出た。

炭を焼く。煙突みたいに積み上げると、

自然と火が伝わって均等になるのだそう。

うちわでパタパタあおがなくてもよい。

専用のガスボンベを取り付けたコンロ。

魚を煮たりごはんを炊いたり大活躍。

じゃじゃーーん、焼スタート。

アユは塩焼きに、こんにゃくは味噌田楽に。

ワインとフルーツもスタンパイ。

リゾートな雰囲気にビールもシャンパンもすすむ。

ほっくほくのじゃがバター。

チョコアイスじゃないよ。ぷりぷりの味噌田楽。

私が仕込んだツナトマトとハーブのピッツァを、

ダッチオーブンで焼いてもらいました。

アツアツとろ〜り。

しゃけのホイル焼き。野菜のうまみがよく出ています。

小学校の宿泊研修以来の飯盒炊飯。

やわらかくて甘くておいしかった。

芝生で風に揺れる青い花を見つけた。

小さくても、しゃんと空へ向かってる。

誘ってくれたファミリーは、

こうしてよくBBQやキャンプへ出かけるのだそう。

あれこれ用意をして、眺めのいい場所を選んで、

みんなで作ってわいわい食べる楽しさは、

どこの高級レストランのフルコースよりも

価値あるものに思える。

太陽の光や海風や、自然が心地いいと感じれること、

飛んでいる虫や風にそよぐ草花、

駆け回る犬なんかが、

当たり前にある命を当たり前に謳歌できていること、

みんなみんな、ありがたくて幸せなことなんだな。

お酒も食べ物もおいしかった。

そして何より、めちゃめちゃ楽しかった。

また誘ってください！

今度はロシアンルーレットパンを仕込みます！

（あかん、煙たがられるって；）

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